特集
- 展示会紹介 LASER World of PHOTONICS 2019
レーザーシステム及びレーザー機器、レーザー測定器に関する専門展だ。1973年に始まったこの展示会は2年に1度開催されており、この展示会に出展する多くのメーカーはこの展示会に合わせて新製品の発表を行うほどで、この展示会の重要性は高い。もちろん世界各国からレーザー及び光学製品に関連するメーカーが出展しており、来場者も世界各国から集まっている。同時に開催されるワークショップやセミナー等も開催されており、単なる展示会にとどまらず新しい技術発表の場としても重要な展示会となっている。
今回の出展社数は1,325社となり、来場者登録数は前回(2017年:32,700人)から1,000人以上増加の4日間で34,000人以上の関係者が訪れたと発表された。会期中は各国から来場した多くの関係者が新製品の発表を熱心に聞いていた。
また、同展示会では「World of Photonics Congress」というレーザー技術および光学技術のあらゆる側面に焦点を当てたプラクティス指向の講義プログラムが同時に開催で行われており、研究だけで無く産業にも焦点を当てた国際会議となっている。 今回「World of Photonics Congress」で開催された国際会議は以下の通り。
・ CLEO/Europe ? EQEC 2019
・ Lasers in Manufacturing (LiM 2019)
・ EOS Optical Technologies
・ Imaging and Applied Optics
・ Digital Optical Technologies
・ Optical Metrology
・ European Conferences on Biomedical Optics (ECBO)
ドイツの南に位置する都市ミュンヘンはバイエルン州の州都であり、英語などではMunichと綴られ、ミュニックと発音します。ドイツ第3の都市でありながら治安はドイツで一番良いとも言われていて、この季節は日照時間が長く、また季候も良いため、多くの観光客が訪れ、街が非常に賑わいます。週末には各広場で屋台が数多く軒を連ね、音楽や踊りのイベントなども行われます。新市庁舎のあるマリエンプラッツェも踊りや音楽そしてビールを楽しむ人であふれかえりとても賑わいます。
バイエルン州と言えばピンとくる方も多いようにビールとヴァイスヴルスト(白ソーセージ)が特に有名です。ミュンヘンを訪れた方はテラスでソーセージをつまみにビールを飲んでしまうと思います。ただ、このヴァイスヴルストは非常に傷みやすいため、早朝に準備して、朝食と昼食の間に食べるのが伝統。新鮮なヴァイスヴルストはコンソメなどで茹で、冷めないように茹で汁とともに大きなボウルに入れてテーブルに運ばれます。皮をむいてバイエルン風の甘いマスタードを付けて食べるととても美味しいのでついつい食べ過ぎてしまいます。実はボールに入ったゆで汁も美味しいスープに・・・。こっそり味わいましょう。 いった小籠包もあるので上海に行った際にはぜひチャレンジして下さい。
ドイツでもビールと言えばピルスナーが人気ですが、『デュンケル』(黒ビールよりやや赤みのある焦げ茶色のビール)や『ヴァイツェン』(小麦から作られ、ほかと比べて泡が多くさらっとしているビール)も是非お試し下さい。そしてビールを飲むときはレストランやビアホールもいいですが、チャンスがあれば街中にも多数あるビアガーデンを楽しんで下さい。レストランでは0.5リットルのグラスが標準サイズですがビアガーデンではなんと1リットルのジョッキでやってきます。この季節のドイツは夜10時近くまで明るく、気分は昼間から飲んでる感じで思う存分ビールを楽しめます。
市内中心部の観光スポットとしてはマリエン広場に「新市庁舎」(新といっても建築後約100年が経過している)があります。そこにあるのがドイツ最大の仕掛け時計で11時と12時(夏季17時)にはほぼ人間の大きさの人形32体と鐘が結婚式を再現した動きとメロディーを披露。鐘が鳴り始めるとみんな一斉に見上げて、その優雅な動きにしばしうっとり・・・。
新ミュンヘン貿易センター(New Munich Trade Fair Centre )
メインゲートを入ると中は広いエントランスになっており、左手に入場のための受付がある。すべてPCによる電子手続きとなっており、入場者は自分で個人情報を入力するシステムとなっている。多いときにはこの手続きの列が長くなりエントランスは人であふれかえる。事前登録による入場証をプリントアウトしたもの持参すれば手続きは省略できる。
手続きを終えるといよいよ展示会場に入ることになるが、ガイドブックとにらめっこして、回る順番をしっかりと決めなければ見逃してしまうこともあるので、焦らずに目的をもって行動することが大事だ。それでなくとも相当な距離を歩かされることになるのだから。
「 LASER World of PHOTONICS 2019 」では展示会場に併設のPhotonics Forumで各種の発表も行われた。
主なトピックスの概要は以下の通り。
・Laser Systems for Production Engineering
・Biophotonic / Optical Metrology and Imaging
・Lasers and Optics
・International Laser Marketplace
・Respice SME
フェムト秒UV固体レーザー
COHERENT
COHERENTのブースでは各種新製品の発表展示が行われていた。主な新製品としては空冷式半導体レーザ ComapctSE、高出力UVレーザサブシステム PowerLineAVIANX、産業用エキシマレーザ LEAP300K、高出力モードロックUVレーザ(擬似CW) PaladinNX355-35000、ピコ秒レーザ HyperRapid NXTシリーズ、産業用UVフェムト秒レーザ Monaco UVとなっている。Monaco UVはMonacoシリーズにUV波長のモデルを加えた形となるが、OLEDの切断やウエハ切断、ポリマー薄膜や箔の切断、フレックス回路やlow-kなどの材料加工に適した製品となっている。
高出力ブルー半導体レーザー
laserline
Laserlineでは前回のLASER World of PHOTONICS で発表されていた高出力ブルー半導体レーザーの一般販売開始をPRしていた。このレーザーはLDMblueシリーズという産業用アプリケーションで長年にわたり確立されている19インチのLDM製品のラック設計に基づいていた、波長400nm-500nmのブルーレーザーで150マイクロ秒(10%-90%)未満の立ち上がり時間でのダイオードレーザー出力パワーの高速変調が行えます。ブルーの波長は銅の吸収がIRの波長に比べて高く、効率の良い加工が行えます。最大出力1 kWのモデルをラインナップしている。
ファイバーレーザー
SPI Lasers
SPI LasersではvariMODEを搭載したファイバーレーザーの展示紹介が行われていた。variMODEはSPI Laserの特許技術でファイバー内に搭載された新技術により出力ビームの品質とモードプロファイルをリアルタイムで可変させる機能のこと。これにより各アプリケーションの処理を最適化することができ効率の良く品質の良い加工が行えるとのこと。他社の専用ファイバーによるモードプロファイル変更技術と異なりレーザー内で変換するため従来のファイバーが使用可能とのこと。
ファイバーレーザー
IPG Photonics
毎回大きなブースを構えるIPG Photonicsでは多数のレーザー関連製品や新製品、新技術の展示紹介が行われていた。各種ファイバーレーザーをリリースしている同社の新技術としてピークパワーを一時的に2倍に高める事でピアッシングを効率よく行える技術を搭載したレーザーを発表していた。また、各種波長やパルス幅のラインナップを揃えてきている同社だがそれぞれのモデルで出力を上げた製品を発表していた。中でもピコ秒レーザーではパルス幅3psで0.2mJ@50-1000kHz、200Wという高出力モデルが発表されていた。その他筐体の小型化を行った製品が多数展示されていた。
フェムト秒固体レーザー
TRUMPF
毎回大きなブースを構えるTRUMPFでは多数のレーザー関連製品や新製品、新技術の展示紹介が行われていた。大出力の固体レーザーをメインとしてきた同社だが短波長や短パルスにも非常に注力しており今回もブース内の大きなスペースをとり新技術や新製品が紹介されていた。新製品の1kWグリーンCWレーザーTruDisk1020によるデモ加工やパルス幅可変の短パルスレーザーTruMicro2020によるマーキングのデモが行われていた。ワールドプレミアとしてはフェムト秒レーザーのTruMicro5370フェムトエディションの発表が行われていた。この製品は波長343nmのフェムト秒レーザーとなっている。