レーザービギナー
第3回 レーザーの種類(概略)赤外線レーザー
レーザーと言ってもその種類は様々です。加工用のレーザーについて少しご紹介します。
今回は赤外線レーザー(IRレーザー)について紹介します。

■加工用赤外線レーザー

さて今回からは加工用レーザーの種類を少しずつ紹介しようと思います。
1回目は赤外線レーザーです。赤外線の波長は皆様ご存じの通り780nmより長い波長域になります。
ではどのような種類があるのか見てみましょう。

炭酸ガスレーザー
出力の小さい物から大出力まで幅広いレーザーが生産されています。(1W~50kW)
CW(連続)発振とパルス発振のレーザーが有り、主な波長は9.3μmや10.6umとなっています。
主なアプリケーションは小型のレーザーではマーキング、大型のレーザーでは切断加工に使用されています。

固体レーザー
固体レーザーはNdドープ(Nd:YAG)やYLF、YVO4、YAlO3等いくつかの種類があります。
CW(連続)発振とパルス発振があり、波長は1064nm、1047nm、1053nmなど結晶により若干違います。
出力は数mWから数kWでアプリケーションとしては微細加工や金属溶接、切断加工など幅広い分野で使用されております

赤外線レーザーが活躍している現場と言えば金属溶接や金属切断でしょうか
ファイバーレーザー
ロッドや共振器の代わりに希土類元素を添加したファイバーを使用したレーザーで固体レーザーの一種です。
CW(連続)発振とパルス発振があり、波長は1060nm前後、1950nm前後、3000nmなど添加物により違います。
非常に高効率なレーザーで超高出力(120kW)モデルもあり、ファイバーの特徴を活かした金属切断や金属溶接などに利用されています。
小型ファイバーレーザーはマーキングで使用されています。

ディスクレーザー
従来のロッド型のレーザ媒体を薄いディスク型にすることでビーム品質を飛躍的に向上させたレーザーで、これも固体レーザーの一種です。
出力は10kW以上のモデルがあり金属切断や金属溶接などに利用されています。ドイツのメーカーでしか製造されていません。

ガラスレーザー
比較的大きなパルス出力(1J~5000J)ですが繰り返しが低くホログラフィーなどに利用されます。波長は1.06~1.08umとなっています。
研究を目的としたレーザーで産業では活躍の場がなく、現在では既製品の販売されていません。

半導体レーザー
高効率なレーザーでコンパクトさや発振の簡単さが人気で特長から溶接や表面処理のマーケットで使用されています。
出力も1mW~数十kWと幅広いですが、連続発振(CW)のモデルしかありません。
加工産業以外にもレーザーポインターやピックアップレーザーなど活躍の場の広さはレーザー中1番ではないでしょうか。

ファイバーレーザーはシンプルな構造で高出力でも小型です