レーザー加工種類の一覧
生産現場で使用されている主なレーザー加工については「レーザー加工種類」でさらに詳しく紹介していますのでそちらをご覧下さい。
レーザーにより物質を熱で溶かして吹き飛ばしたり高いエネルギーを短時間で与えることにより物質を蒸散することにより材料を切ったり穴をあけたり文字を書いたりする加工が行えます。
レーザーで加熱をすることにより金属や樹脂を溶かし接合する技法です。一般的に使用される金属や樹脂の接合に使用でき、重ね溶接や突き合わせ溶接などの工法に対応しています。
レーザーで材料の表面を急峻に加熱冷却することで表面の組成を変えたり、全体的に削ったり堆積させたりすることにより材料表面の状態を変化させる工法です。
レーザーにより材料に熱を加え変形させる技法でレーザーフォーミングと呼ばれます。材料の一部に局所的な熱を加えると収縮したり反ったりしますがそれを上手くコントロールすることにより形を作ります。
レーザー微細切断加工
フィルムなど薄い材料であれば10ミクロン以下の切断も可能です。また材料の種類にもよりますが厚みが100ミクロン以下の基材であれば50ミクロン以下の切断も可能です。硬い材料や高価な材料にはレーザー切断が有効です。
レーザー微細穴加工
フィルムなど薄い材料であれば10ミクロン以下の穴加工も可能です。ガルバノスキャナーやポリゴンスキャナーを使用することにより1秒間に数千穴の穴をフィルムなどの薄い材料に加工することが可能です。
レーザー薄膜除去加工
ガラスやフィルム状の機材の上に成膜された薄膜を除去することが可能です。機材に極力ダメージを与えずに加工が行えます。非接触のドライプロセスのためエッチングやブラスト加工に比べ多品種への対応が得意です。
レーザーハーフカット加工
シールやキャリア材の上のフィルム材のみを切断や穴加工が簡単に行えます。レーザーのショット数で深さをコントロールするため基材と加工材の厚さや材質が異なっていても加工が行えます。
レーザー切断加工
薄い材料から厚い材料までレーザーでは様々な材料を切断してます。熱が局所的にしかかからないため材料の変形や熔解、焦げなどが少なく紙や布、皮、樹脂といった燃えやすい材料からガラスやセラミックス、金属まで様々な材料を切断できます。
レーザー穴加工
薄い材料から厚い材料までレーザーでは様々な材料に穴加工ができます。熱が局所的にしかかからないため材料の変形や熔解、焦げなどが少なく紙や布、皮、樹脂といった燃えやすい材料からガラスやセラミックス、金属まで様々な材料に対応します。
レーザーザグリ加工
ショット数コントロールやパルスエネルギーコントロールにより希望する深さの溝を加工することができます。材質によりレーザーの種類を変える必要はありますが様々な材料に対応しています。
レーザー止穴加工
ショット数コントロールやパルスエネルギーコントロールにより希望する深さの止め穴を加工することができます。材質によりレーザーの種類を変える必要はありますが様々な材料に対応しています。
レーザートリミング加工
ガラス基板やセラミックス基板の上に成膜された金属薄膜などの一部をレーザーにより除去することで電気的な性能の安定や向上を目的とする技法です。代表的なアプリケーションとしてはチップコンデンサーがあります。
レーザーマーキング加工
もっとも多くの産業で利用されているのがレーザーマーキングです。材料の種類によりレーザーの種類を変えることで様々な材料に対応しており、トレサビリティーの普及でQRコードなどのマーキングも増加しています。
レーザーインナーマーキング加工
レーザーマーキングの中でも透明体の材料に対し材料の内部にマーキングする技法です。アクリルやガラスの内部にマーキングが行えるため贈答品などのマーキングにも利用されています。
レーザー深掘り加工
レーザーマーキングよりも深い彫刻のようなイメージのマーキング加工をレーザー深掘り加工と言います。プロッターと呼ばれる装置で加工することが多くゴム判や印鑑などの加工でも利用されています。
レーザーリフトオフ加工
レーザーリフトオフ加工とはガラスや結晶基板から薄膜を剥離させる加工のことです。ガラス基板上のポリマー系薄膜デバイス層や同じくポリマー系のフレキシブルディスプレイ用デバイス等を剥離させる工法などへも応用が広がっています。
レーザー微細溶接加工
溶接と言えば板金加工のような大きなものをイメージしますがレーザー溶接はもっと局所的な溶接も行えます。例えば電池の電極タブの溶接やリチウム電池容器の封じ溶接などもレーザー溶接が使われています。
レーザー溶接加工
金属同士をレーザーにより溶融接合する技術で産業界で広く利用されています。自動車ボディーや各種板金加工がもっともポピュラーですが鉄道車両や造船などでもレーザー溶接は利用されています。
レーザー溶着加工
レーザー溶着とは樹脂同士をレーザーで溶かし接合する加工法です。樹脂同士を重ね合わせ界面のみを溶かし接合するため溶接と言わずに溶着と呼ばれています。樹脂と金属を接合することも可能です。
レーザーろう付け加工(レーザーブレージング)
一般的なろう付けと同じで接合する材料よりも低い融点のろう材と呼ばれる合金をレーザーで溶融し接着剤のように用いる事で基材自体を溶融させずに接合させる技法です。
レーザーはんだ付け加工(レーザーソルダリング)
狭ピッチのデバイスでは熱をかける範囲の広いリフローやこてによる方法だとはんだ同士がひっついてしまったりします。レーザーによるはんだ付けは局所加熱が得意なため昨今の極小デバイスに向いています。
レーザー肉盛り加工(レーザークラッディング)
肉盛りを行いたい材料に金属粉を吹きかけながらレーザーで瞬時にして溶かし母材表面に堆積させていきます。パイプの一部を肉盛り加工し太くしたり、すり減った部分に肉盛り加工を行いリペアしたり応用が広がっています。
レーザー3Dプリント
金属粉をIRレーザーで溶融し3Dにする方法と紫外線硬化樹脂をUVレーザーで硬化させ3Dにする方法があります。金型などが不要なため試作品やモックを作るのに従来方法に比べ格段に早くなります。
レーザー焼き入れ加工
レーザーの場合は局所的な加熱が可能になり必要な部分だけを焼き入れすることが可能になります。また効率が非常に良いため従来方法に比べ加工時間が短く量産に向いています。
レーザーグレージング加工
レーザーにより材料の表面を溶融させ急激に冷却することで表面が改質され耐腐食性や疲労特性が向上します。焼き入れは自然冷却ですがグレージングは水などで強制的に急冷を行います。
レーザーピーニング加工
ピーニングとは材料内部に何らかの方法で衝撃波を加えて改質する手法でレーザーピーニングの場合は材料にレーザーのパルスを照射することでプラズマ衝撃波を与えて強度を上げる改質を行います。
レーザーテクスチャリング加工
レーザーにより表面に模様を入れる加工です。厳密に言えば除去加工ではありますが全体的に表面を変化させるという意味で改質加工に含めています。材料そのものだけでなく金型などにも利用されています。
レーザー変色マーキング加工
加工可能な材料は一部の樹脂材料となりますが白や透明を主に色の付いた材料に対しレーザーマーキングで黒や灰色や茶色を発色させます。印刷などと違いこすっても消えない点が優れています。
レーザーカラーマーキング加工
加工可能な材料はほんの一部の金属ですが赤系から緑系、黄色系、青系とカラーと呼べる十分な色をレーザーマーキングにより発色させます。印刷などと違いこすっても消えない点が優れています。
レーザーアニール加工
レーザーでアモルファス薄膜の表層部を瞬時に溶融冷却することで結晶化させることでポリ化した膜に改質させる工程です。産業用途ではアモルファスシリコンをポリシリコンに改質させる工程で利用されています。
レーザーリペア加工
電子回路のパターンなどで配線の欠線や配線のショート部分が発生した際にレーザーにより接合したり取り除いたりして修正する技法です。材料を乗せたり取り除いたりする点では除去や接合の複合加工とも言えます。
レーザー成膜加工(PLD)
レーザー成膜加工はPLDとも呼ばれる成膜方法で特に酸化膜の作成に利用されています。ターゲットにレーザーを照射することでアブレーションを起こし、そこから飛び出した材料を対面する基板に積層させる技術です。
レーザーフォーミング加工
金属板の一部をレーザーで加熱することにより金属板が反りますがこれをコントロールすることにより任意の形状に加工していく工法です。高度な制御が必要ですが熱を加えて曲がる樹脂などでも利用可能です。