レーザービギナー
第6回 アニメのレーザー光線と現実
よくレーザー光は拡がらないと耳にしますがホントでしょうか?

■レーザー光線のホントのところ

よくテレビマンガやアニメーションではレーザー光線はどんな距離でも一直線に進んでいる様子が描かれています。レーザー光線銃やレーザー砲から出たレーザー光は白や黄色や青、赤やオレンジといった光線軌跡を描いて目標物を破壊している様子が描かれています。ホントのところはどうなんでしょう?まず一つ目の「そんな遠い距離まで拡がらずに進むのか?」実はレーザー光線は拡がっているんです。テレビなんかでもレーザー光線は拡がらないと耳にしますが実際はそうではありません。レーザーに詳しい方はことをよくご存じと思います。確かに電球やLEDから比べると拡がりは少ないので、“拡がらない”と言われがちですが本当は結構拡がっています。拡がり角度が1メートルあたり数度というレーザーもありますからまったくもって真っ直ぐとはいえませんね(笑)特に高出力で出力のある加工に利用されるレーザーはこの傾向があるようです。

そのうちレーザー砲が開発される時代がやってくるのでしょうか?
それからもう一つの「レーザー光の光線軌跡が見えているように描かれている」ことです。本当は光線軌跡は通常見えません。可視光レーザーであっても通常は見えません。フォトンが何かにぶつかって反射された時にその反射光がキラッと見えたりすることはありますが見えるといってもその程度です。レーザーポインターでスクリーンを指したときスクリーン上ではスポットがはっきりと見えますがその途中の光線がマンガのように見えることはありませんよね。レーザー光線が見えるようにするためにはミストや霧状の状態を作りその中にレーザー光線を通せばレーザー光線がハッキリと見えます。SF映画では迫力を演出するためにレーザー光の光線軌跡を鮮明に写してるため、一般の方からすると”そんな風に見えるんだ~”と脳が記憶してしまうんでしょうね。
これからはレーザー光線は拡がるし、レーザー光の光線軌跡は見えないと覚えましょう。そうそう、いくら加工用レーザーが大出力になったといえども一撃でビルや戦闘機を破壊することなんてできませんから(笑)それも覚えておいてください。

レーザーで巨大なビルを爆破するなんてエネルギー効率から考えてもムダの塊?