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第6回 レーザーの安定性5
レーザーは物理の塊なので物理を理解しないと難しいですが、ここではそこな難しいレーザーの開発をのぞき見るコーナーです。
レーザー加工を行うためには光源元となるレーザー発振器の安定性を高める必要があります。
今回は寄生発振についてお届けします。
レーザー加工を行うためには光源元となるレーザー発振器の安定性を高める必要があります。
今回は寄生発振についてお届けします。
■レーザーの寄生発振を疑う
レーザー装置の効率や安定性を阻害するASEや寄生発振は、固体レーザー媒体そのものの中で一番発生しやすいと考えられます。一般的に屈折率が高く精密に磨いた光学面を多(面)数もつ固体レーザー媒体は、媒体自身が共振器の役目を果たしてしまいます。せっかくの高精度に仕上げられた研磨面が高精度故にミラー面反射を起こしてしまうという現象に陥り結果として高精度が裏目にでて、極端な場合設計者の意図とは裏腹に隠れた共振器を共振器内部に構成してしまい、あらぬ方向にコントロールされていないビームを出力してしまいます。
特に、一定の時間媒体にエネルギーを蓄積してQスイッチングを行う場合、思ったとおりにエネルギーが出てきてくれなかったりします。こんなとき、媒体の放つ蛍光の強さを測ってみるとある励起強度で蛍光の強さが飽和しています。この場合、寄生発振を疑って見る必要があります。周囲に撒き散らすASE光が波長構造を持っていたならば間違いなく寄生発振が起こっています。これらは“寄生発振器“のFSRを反映するためです。
マイクロビーズ状のレーザー媒体を塗料に練りこんで軍用機の機体に塗り遠方からレーザーで照射励起して、その発振様の散乱光の波長構造を距離測定と共に判別し、その塗料の主が敵か見方かを判断する。という、なんとも笑えない応用が提案されたことがあるそうです。
軍用の航空機が搭載するミサイルは、肉眼ではとても見えないような距離からレーダに映った標的を破壊することが可能なため、同士討ちが起こってしまったことが研究の発端とは。こんなことにレーザーは使わないでほしいものです。どんな研究にも悲しい話はつきものなのでしょうか。問題なのは悲しい話が先か技術革命が先かですが、たいていの場合軍事目的から転用されることが多く、日本のように純粋に産業目的では予算的にも厳しいものがあるようです。
いずれにしろ産業で活躍する技術に育って欲しいという願は変わりません。
レーザー装置の効率や安定性を阻害するASEや寄生発振は、固体レーザー媒体そのものの中で一番発生しやすいと考えられます。一般的に屈折率が高く精密に磨いた光学面を多(面)数もつ固体レーザー媒体は、媒体自身が共振器の役目を果たしてしまいます。せっかくの高精度に仕上げられた研磨面が高精度故にミラー面反射を起こしてしまうという現象に陥り結果として高精度が裏目にでて、極端な場合設計者の意図とは裏腹に隠れた共振器を共振器内部に構成してしまい、あらぬ方向にコントロールされていないビームを出力してしまいます。
特に、一定の時間媒体にエネルギーを蓄積してQスイッチングを行う場合、思ったとおりにエネルギーが出てきてくれなかったりします。こんなとき、媒体の放つ蛍光の強さを測ってみるとある励起強度で蛍光の強さが飽和しています。この場合、寄生発振を疑って見る必要があります。周囲に撒き散らすASE光が波長構造を持っていたならば間違いなく寄生発振が起こっています。これらは“寄生発振器“のFSRを反映するためです。
マイクロビーズ状のレーザー媒体を塗料に練りこんで軍用機の機体に塗り遠方からレーザーで照射励起して、その発振様の散乱光の波長構造を距離測定と共に判別し、その塗料の主が敵か見方かを判断する。という、なんとも笑えない応用が提案されたことがあるそうです。
軍用の航空機が搭載するミサイルは、肉眼ではとても見えないような距離からレーダに映った標的を破壊することが可能なため、同士討ちが起こってしまったことが研究の発端とは。こんなことにレーザーは使わないでほしいものです。どんな研究にも悲しい話はつきものなのでしょうか。問題なのは悲しい話が先か技術革命が先かですが、たいていの場合軍事目的から転用されることが多く、日本のように純粋に産業目的では予算的にも厳しいものがあるようです。
いずれにしろ産業で活躍する技術に育って欲しいという願は変わりません。
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高精度研磨面が時として望まない共振を起こす
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レーザー技術は戦闘機にも使用されている
少し難しい話をしてしまうこともありますがお許し下さい。