プロセス道
第11回 IRレーザーによる加工
赤外線(IR)レーザーも工夫次第ではまだまだ新しい活躍の場があります。

■IRレーザーによる加工

さて今回は紫外線(UV)レーザー加工を少し離れて赤外線(IR)レーザー加工紹介します。
赤外線(IR)レーザー加工というと自動車や鉄鋼での大物の溶接や切断、モーターや電子部品、電池などの溶接を想像しがちですが、さらに小さな微小領域でも非常に活用されています。デジタル家電の性能が上がるにつれ基板での実装密度が高密度化してきております。さらに電子デバイスは小型になってきて接続端子は狭ピッチ化が進んでいます。そのような微小サイズの様々な電子部品をプリント基板へ実装していくわけですが、半田付けにおいても半田付けエリアが微小サイズのため精度の高い半田付けが要求されています。 また、電子部品とプリント基板だけではなく、コネクター類へも同様に高精度への要求が高まっています。半田付け工程において最もやっかいとされているのが半田の広がりです。いかに半田の拡がりを制御していくかが鍵となった居ますが、赤外線(IR)レーザーはこのようなところでも活躍しています。通常半田付けされるエリアは金メッキが施されていますが、部品が微小サイズになってくると両端同士の金メッキ層が分離でき無くなります。これでは半田が流れて上手く半田付けできません。


IRレーザーは溶接と思いがち

しかし、金メッキ層をレーザーで照射すると上部の金メッキ層と下部のニッケル層が融け合い合金層になります。そうすることにより半田が流れてしまうことをふさぐことが可能になります。この方法であれば部品が微小になっても高精度な半田付けを行うことが可能となってきます。

微細な半田付け
またレーザー光源を複数個使うことにより立体に加工したり、スループットを上げることも可能になります。 赤外線(IR)レーザーはすでに様々なマーケットで活躍しており、その出荷台数も加工用レーザーの中では群を抜いています。しかし、工夫やアイデア次第ではまだまだ新しい活躍の場が生まれています。観点を変えてレーザーの利用を考えてみてください。